2012年12月12日水曜日

パンデット・ラヴィ・シャンカール亡くなった!!!

インド音楽を、というより、アジアの文化・芸能を世界に知らしめた功績は大きい!

P・ラヴィ・シャンカールは、インド独立で大きく社会のシステムが変わり伝統が途絶えようとしていた時期に、インド文化の復興に立ち上がった多くの若いミュージシャンや芸術家の一人です。

彼は、元々ヨーロッパ育ちでもあって、西洋社会の事をよく知っていたこともあり、古典音楽の活動以外にも、多様なジャンルとの膨大なコラボレーションでも活躍し、世界中の様々な人達に、インド音楽/アジアの文化を広め、インド音楽を救いました。

そのお陰で、P・ラヴィ・シャンカールは、晩年でさえメディアに頻繁に登場し、インド音楽・文化に関して多くを語ったけれど、一つだけメディアが編集で削除して伝えないので、ほとんど知られてない事を、この際書いてみようと思う。

60〜70年代、ベトナム戦争等によって西洋社会の多く若者がアジアの思想・知恵に傾倒し、それがヒッピーカルチャーとなってブームになっていた時期、P・ラヴィ・シャンカールは、ビートルズなどの有名なロックバンドとの交流なども手伝って、そういった若者達に絶大な人気を得ることになりました、、、

けれど、

P・ラヴィ・シャンカールが、いくらインド音楽・文化、哲学、精神性、構造、伝統などを真剣に訴えても、自分の演奏の目の前で、酒、タバコ、ドラック、セックス、スピリチャル詐欺、、等が絶えない状況に絶望し、インドに帰ってしましました。

でも、その後、

西洋社会では、インド音楽(他のアジアの音楽・芸能も)を、アカデミックも含め、ちゃんと文化として扱うようになり、安直にインド音楽を酒、タバコ、ドラック、セックス、スピリチャル詐欺、、等と結びつけることは、ほとんど無くなりました。今や、インド音楽の特徴でもある細密で幾何学的でフレキシブルな構造を、いろいろな音楽にも応用してたりもします。

片や、

日本も、今年、来日した僕のシタールの師匠の公演も、師匠が絶賛するくらい良い観客が沢山聴きにきてくれたけれど、一部、未だに、P・ラヴィ・シャンカールを大きな挫折に追いやった60〜70年代のイメージしか持ってない西洋カブレに洗脳されたロックオヤジとかいるのは確かで、マジで最悪。。ついでに、P・ラヴィ・シャンカールの多様な活動を嫌い認めないコテコテでカチカチのインド音楽マニアも最悪。

ともあれ、、、

P・ラヴィ・シャンカールは、インド音楽だけではなく、ポップスから現代音楽〜日本の伝統音楽、映画音楽の作曲など多様な芸能活動、チャリティや学校などの社会活動、多くの若手の育成など、、、数えきれないくらいの事を成し遂げた偉大な音楽家でした。

僕がシタール弾いてるのも、P・ラヴィ・シャンカールのお陰です。

さらに、僕は今取り組んです「アジアmeetsアジア」は、すでにP・ラヴィ・シャンカールがやってたりします。


Ravi Shankar - Hozan Yamamoto - Improvisations On Theme Rokudan




2012年11月14日水曜日

サリフ・ケイタのギターリストと遊ぶ

昨日は、ママドゥさんというアフリカのマリからきたコラという楽器の方と、ちょっと遊んでみた。

ママドゥさんは、昔、よく聞いていたサリフ・ケイタのAMENというアルバムでギターを弾いていた人だった。

サリフ・ケイタのAMENは、当時、特にワールドミュージック好きというより、ジャズをよく聴いていた時期で、シタールを始める前、ホントはインドに行くなんか想像外で、アメリカのジャズの学校に行こうかぁ〜と漠然と思ってた時期に、マイルス→ザビヌル→サリフ・ケイタという流れで聴い
てました。

実は、マリは何か内戦らしくママドゥさんは国に帰れないそうです。

、、で

ママドゥさんの演奏は、すごく繊細でグルーブに独自の訛りもあって最高でした。

、、で

やっぱり、日本の民謡とかにも近いものがあって、今月の21日の秋田民謡のイベントに向けて猛練習してる民謡シタール奏法が、すごい威力を発揮しましたよ。やっぱり民謡はやっとくべきだと、つくづく思った次第。

ママドゥさんとも「アフリカ〜アジアは何か同じものがある」ということで意見が一致。まぁ、音楽的には微妙な音程や拍を積極的に音楽に活用する、、という方向性なので、そりゃそうなんですが。。

、、、あと、

ママドゥさんさんの日本人以上に日本人らしい所が、なんか懐かしかったですよ。

、、、まぁ、

昔、よく聴いていたサリフ・ケイタのアルバムに参加してるミュージシャンと遊べて、かなり光栄でした。

シタールとコラの組み合わせ、なかなか良いのでライブしていこうと思う。我こそは企画してあげましょうという人は連絡ください。

サリフ・ケイタ「Kuma」
力強い歌と細密画のようなアフリカンなアンサンブルに、ちょっとくすぐったくなるザビヌルのハーモニー



2012年11月7日水曜日

ハッ!といったら始じまる音楽、その1



この前、移動中のラジオで80年代洋楽特集というのを、たまたま聴いてたら、アメリカやヨーロッパで全然売れなかったアルバムも日本でバカ売れしたのが沢山あると言っていた。

まぁ、僕も洋楽世代でシタール始めるまでは、なんでこんなに日本の音楽はダサいんだ、、、と思ってた口ですが、今思うと歌詞も分からず、よくあんなに聴いてたもんだと思う。特にこの数年は、シタールの師匠と英語で話さないといけないので、勉強のために昔聴いていた洋楽の歌詞なども訳したりしてるけど、なんだこりゃ、、という歌詞や、キリスト教的な文化感覚や、その国の歴史的・社会的背景がないと分からないなぁ、、、というも多い。。

でも、この時代の洋楽は、どんどん生まれる新しいテクノロジーの導入などもあって、刺激的だったのは確かだけれど、、、

、、で、

去年の暮れに、浅草の木馬亭で行われた二代目・浅野梅若さん達に公演で、思い切って話しかけてみたのが縁で、今年、二代目・浅野梅若さんの息子の浅野鵬修くん、浅野江理子さん、浅野晴香さん、浅野沙樹さん達と秋田や富山スキヤキ・フェスなどで共演して、今月21日に東京でもイベントすることになりました。

まぁ、民謡や土着の芸能は元々好きで、奄美民謡の朝崎郁恵さんともアルバムも作ったりしましたが、やっぱり去年の震災で、やっぱり同じ芸能者として東北の芸能と何かしないとなぁ、、と漠然と思っていた所、二代目・浅野梅若さん達と知り合って、その後、岩崎鬼剣舞の映画を撮った三宅流監督と知り合って、一緒に鬼剣舞や鹿踊を見に岩手行ったり、さらに先日、東京在住の鹿踊の人と会ったり、、、あちこち東北行ってた訳なんですが、、

僕は、あんまり音楽で政治的な事を表現はしたくない代わりに、東北の芸能といろいろ関わることで何か表現できるのではないか、、と思ったりしてるのもあって、まぁ、シタールが日本~アジアの芸能に共通する節や間が演奏できる楽器なので、やっと少し形になってきた感じです。

まぁ、洋楽が悪い訳ではないけれど、そういった戦後、大衆文化に入って来たものをベリベリッとはがすと、日本~アジアの極彩色な文化が日本にも、、ドワァ~~~と、ものスゴい量の芸能が現れるのが、かなり興奮しますよ。

以外と、ちょっとしたキーワードで、そういう世界にいけたりします。
とりあえず、ワン、ツー、スリー、フォーというのをヤメて、ハッ!って言ってジャァ~ンと曲を始めてみるといいよ。

 2012.11月21日
ヨシダダイキチ×梅若会@CAY2012 「秋田民謡とシタール」

11/18(日)「タラリラ連 VOL.1岩手・秋田編」
第1回は岩手・秋田編。
8月に開催された岩手県北上みちのく芸能祭りの様子や、
民謡王国・秋田を確立した民謡界の大御所初代浅野梅若の映像を見ながらちょっと話したりします。
イベント終了後はみんなで飲み!(参加費別途・詳細後日)

【日時】 11月18日(日) 14:00開場 / 14:30開始
【会場】 日比谷図書文化館4F スタジオプラス http://hibiyal.jp/
     東京都千代田区日比谷公園1番4号
【参加費】 1,500円
【予約・問合せ】 tarariraren@gmail.com

11/15(木)「言葉とリズムのワークショップ」
(一つ前のブログで、ちょっと説明してます)
【会場】Camale hoju   http://www.camalehoju.jp/
     東京都中央区銀座1-23-4 明松ビル201
【料金】3,500円 (1ドリンク付) 大体10名くらい
【問い合わせ・予約】info@yoshidadaikiti.com

これは、映像は、以前、国立劇場の獅子舞イベントで、もっとも衝撃を受けた笛も太鼓もなくアバァァァァとだけいう佐賀の獅子舞、、、










2012年10月27日土曜日

天然資源を再利用する音楽


9月中旬から九州回って~シタールの師匠が来日して~その合間にイベントがあって~その後関西SAICOBABAで回って~ちょっと他のライブもして~明日のライブでやっと一段落です。

ちなみに明日は、
10/28(日) 
勝井祐二(Violin) ,ヨシダダイキチ(Sitar), U-zhaan(Tabla) 
@クリシュナ/東京都新宿区歌舞伎町1-1-5 
パレスビル202 (03-5287-2561)
時間/16:30/17:00
料金/3,000円(+1order)

です。

、、で、怒濤の最中、先日「言葉とリズムのワークショップ」もしました。

どういうことをしたかというと、、

それぞれの国や地域で話されてる言葉には、言葉自体に元々、リズム、アクセント、音程、音色などがあるので、それを再確認して再構築する、、、みたいなもんです。

まぁこれは、僕自身が奄美民謡の朝崎郁恵さんや秋田民謡の梅若会の人達と演奏する際に、民謡のアクセントや音程(節)を、理解するためにやってる方法なんですが、、、

その昔、朝崎さんにアカペラで民謡を歌ってもらって、それを何回も聴いてコピーするも全く分からなくて四苦八苦している時に、インド音楽のリズムやメロディの分割方法を当てはめてみたところ、これがあっさり解決してしまったので、それ以来ずっとやってる方法です。

義太夫だけは、まだまだ謎ですが、、、

「インド人恐るべし」というオチなんですが、数学的で複雑なパズルのようなインド音楽も、インド人は元々そういう感覚があってやってる所もあるので、極端に理論的にやってる訳ではないですが、、非インド人の僕がインド音楽を理解する場合、まぁまぁ理論は役に立ったりしてます。

なので、民謡とか浄瑠璃のメロディやリズムが分からなくなってしまった人にも役に立つかもしれないし、そういった古典からさらに展開していけるかもしれない。

まぁ、言葉自体が元々持っているのリズムやアクセント、音程、音色は、天然資源のようなものなので有効に再利用しながら、いろんなものと合体させると何かと面白いと思って、、、

次回もあります。
11/15(木)
【会場】Camale hoju   http://www.camalehoju.jp/
     東京都中央区銀座1-23-4 明松ビル201
【料金】3,500円 (1ドリンク付) 大体10名くらい
【問い合わせ・予約】info@yoshidadaikiti.com

いろいろ書いてますが小学生レベルに算数と言葉です。


秋田民謡・梅若会+ヨシダダイキチ「荷方節」
11/21に青山CAYでイベントしますよ。



2012年10月24日水曜日

「これ適当に歌ってるんちゃうんかー!」とキレそうになる


昨日早朝SAICOBABAのツアーから帰ってきて、夜徹夜でまた二羽さん(Breath Mark)と江州音頭「紺屋高尾」の猛練習、、、

今でも「語り的な歌と合いの手」というシンプルな形式なのだが、その分、逆に歌のメロディ(節)がかなり複雑になってる。。。インド音楽やアラブ音楽もメロディがかなり複雑で難しいけれど、体系化されてるので"ある程度"理解しやすい側面もある、、、が、、、

江州音頭の場合、音楽的にいうと、大きく2種類の旋律(モード)と幾つかの小さい旋律(モード)と微妙な音程と微妙に転調で出来ている。
そういう方法で情景や場面の変化に対応している。小節や拍単位ではなく一節単位で対応しているのが、実に繊細で美しいけれど、分かれば分かるほど膨大な情報量過ぎてメゲそうになる。

まぁ、普段耳にする音楽が切り捨ててきた部分が山盛り、、、山盛り過ぎる。。。山盛り過ぎるので「これ適当に歌ってるんちゃうんかー!」とキレそうになる、、、

こういうのインド音楽やアラブ音楽みたいに体系化すると面白いものができると思う。みんなもキレそうになりながらやった方がいいよ。

今日は、久しぶりに中ムラサトコさんも出演

10/24(水)@鈴ん小屋《出演》二羽高次 x ヨシダダイキチ、中ムラサトコ
《開場/開演》19:00/20:00
《前売/当日》3,000円/3,500円 (ドリンク代別)
二羽さんと取り組んでるのは、このCDの紺屋高尾です。お勧め!!
3.紺屋高尾 曲師 [20分32秒]江戸紺屋の職人久造は吉原の夜桜見物のお練りで高尾太夫を一目眺めて惚れていまい病気となった。三年間一生懸命働いて十五両を溜めて吉原の高尾太夫に会いに行く。太夫に正直な気持ちを話し”どうか女房にしておくれ”と太夫から三百両をあずかる花のお江戸の語り草。 』

2012年10月17日水曜日

師匠が帰ってホッとしたとおもったら、、ツアー出ます

今週末は、むか〜〜〜〜しからやってるSAICOBABAで
岡山〜和歌山でライブです。

ボアダムス、OOIOOで活躍のヨシミちゃんとユザーンとのトリオです。

もう15年くらいやってます。

これまでも、ATRくん、山北健一くん、Y2Rさん、ジム・オルークさんなどが参加してくれました。

ヨシミちゃん他、参加してくれるメンバーの音楽性や柔軟性などの能力が異常に高いので全てのライブは適当な即興で、この15年間に3回ほどしか練習したことないです。これがバンドが長く続いてる理由なのかもしれない。

年末には、久しぶりにボアダムスと少しツアーします。

2012年10月19日(金)
Open_19:30 Start_20:00
Adv_¥3,300- Day_¥3,800- (要別途1ドリンク\500-)
岡山県の城下公会堂

2012/10/20(土)
open18:30 / start19:00
和歌山市 devicespace HERON
和歌山県 和歌山市屏風丁13 吉田ビルB1F 
※南海和歌山市駅前
TEL:073-427-5550
前売¥3300 / 当日¥3800(共にドリンク代別)



その後、ユザーンと2人でシタール&タブラデュオです。
2012.10.21(日)
@BOTANICAL GARDEN FESTA ガネ福市
和歌山県植物公園 緑花センター
和歌山県岩出市東坂本672
0736-62-4029
http://www.w-botanicalgarden.jp/
IVENT OPEN / LIVE START
10:00 / 15:30 






2012年10月15日月曜日

U・シュジャート・カーンの音楽の秘密

語るような歌ようなシタールで幾重にも物語が織り込まれ、いつのまにか時間の感覚がなくなり、どうして自分が感動してるのか分からないくらい感動していまいたい人は、今日来たほうがいいよ。

どうしてそんんあことができるのか?というと、、、

多くの音楽の技術や理論は、いろいろな「緊張のシーン」を作るためにあったりします。音楽以外のいろいろな表現もそうだと思います。いろいろなハプニングを挿入した映画や物語や遊園地のジェットコースターみたいなもんです。なので普通そういった「緊張と緩和」みたいな運動が聴いてる人を楽しませてくれます。

でも、U・シュジャート・カーンの場合、ちょっとそういうのとは違います。だからといってテクニック不足やイマジネーション不足で上手く緊張感が作れないとか、頭の中がお花畑で結局フラットでスクエア音楽という訳でもありません。

ずばりいうと
『十分な緊張感を生み出しつつ、それを感じさせない』
ということをやってます。

なので、目の前で指が早く動いて沢山んの音を弾いているのが分かっても、多くの音楽にあるような緊張感は感じません。緊張感を生み出すだめに作られた技法なのに緊張感を感じさせません。でも実際には緊張感は生み出されています。。でも感じさせません。

こういうことができる沢山の理由の中の一つに、U・シュジャート・カーンの音楽の特徴でもある「歌うように弾く(ガヤキ)」というのがあげられます。要は日本でもお馴染みの「コブシ」なんですが、理屈としては「大きなメロディの間に小さいメロディを付け足し」ていきます。

U・シュジャート・カーンは、一見スゴくシンプルなメロディを弾きつつも、実は、沢山の小さいメロディが背景に弾きます。その小さいメロディが大きなメロディに多様な表情や意味を付けていってるという訳です。

これが『語るような歌うようなシタールで幾重にも物語が織り込まれ、いつのまにか時間の感覚がなくなり、どうして自分が感動してるのか分からないくらい感動してしまう』というののほんの少し種明かしです。

今日、最終公演ですよ。
「U・シュジャート・カーン@ルーテル市ヶ谷ホール」
詳細:http://celestia.co.jp/schedule/2213.html

2012年10月14日日曜日

『U・シュジャート・カーン来日公演@三鷹10/13』

10/13の三鷹のライブ、本人も「今日はかなり良かった」「インドでも、こんな演奏はできない」と連発するくらい大満足の素晴らしい1曲1時間40分の演奏でした。


公演の模様


演奏全体は、5代目イナヤット・カーン~6代目ヴィラヤット・カーン~7代目シュジャート・カーンがスーパー合体してガンダムのニュータイプみたいな演奏でした。

演奏した曲(ラーガ)は、チャーチモードでいう「リディアン」をインド旋律的に組み替えてる「ラーガ・ヤマン」で、そこに「アイオニアン」や「ペンタトニック」を混ぜていく複合モードの「ラーガ・ヤマニ」。

この複数のモードを組み合わせていくミックス加減が、いかにもシュジャート・カーン節が全開で、無垢で無邪気なメロディから大河になって行きつつも、、常に複数のモードの良いメロディが上手いタイミングで強調され展開していくので、全体を通して幾重にも物語が重なっていくけど、最終的に一つの物語になるみたいになってました。

とくに、前半の無伴奏のフリーハンドで描いていくパートでの演奏は圧巻。

タブラが入って「ゆっくりなテンポ」のパートは、6代目ヴィラヤット・カーンが「ラーガ・ヤマン」で作ったテーマ・メロディをベースに複合モードの「ラーガ・ヤマニ」。

自分のライブで、ヴィラヤット・カーン風の技は滅多に弾かないのだけれど、今回の演奏では、そういうのを少し幾つか披露してました。

さらに「早いテンポ」のパートでは、5代目イナヤット・カーンが作ったテーマ・メロディをベースに、多種多様のコブシを歌うように組み合わせていく、この流派ならではの展開でした。

つづく最終パート「ものすごく早いテンポ」は、水木しげるの点画くらい細かいビートの中に、限りなくシンプルで牧歌的なメロディを少~しずつ入れて行き、、もはや早いテンポなのか?ゆっくりなテンポなのか?時間が未来に進んでるのか?過去に戻ってるのか?分からなくなっていく四次元的な展開がきれいに決まってました。

タブラ伴奏のアルナングシュ・チョーさんも、師匠と長いコンビなので息もバッチリで、僕と演奏する時みたいにアグレッシブではなく大人の演奏してました。



1015日(月)にも市ヶ谷ルテール・ホールで公演があります。
みんな聴いた方がいいよ。ほんと!!

写真上:井生明

2012年10月9日火曜日

師匠の来日公演が間近なので、、、vo.5

もう師匠の来日公演が今週なので、
ネットに上がってる名演奏をピックアップしてみました。

これは、師匠の十八番でラーガ・ヤマニです。
実は誰もやらないようなラーガ解釈で弾いてます。(秘密です)





中世にインド音楽に多大な貢献をしたアミール・クスローの詩を歌っています。
歌詞知りたいです。



たぶん、お金持ちの家でプラベート・コンサートです。
シンプルなメロディと静寂からじわじわ音楽が展開します。


テジュンドラ・ムジェンドラさんという有名なサロード奏者と
若手No.1でジャイアンのようなシュベンドラ・ベナルジーさんとの共演
ちょっとインタビューはいります。

最後に、音だけですが最高です。聴くのこれだけでもいいです。
ガヤキ・スタイル(歌うように弾く)の最高峰だと思う。


もうチケット予約しましょう。
http://celestia.co.jp/schedule/2213.html

2012年10月2日火曜日

師匠の来日公演が間近なので、、、vo.4

『切られたことすら気付かせない剣の達人のような U・シュジャート・カーン』

ECMレーベルからリリースされたイランの演奏家ケイハン・コルホールとのライブ録音盤「The Rain」が、2004年にグラミー賞ノミネートされて以来、小沢征爾、ルチアーノ・パヴァロティといった世界的な音楽家達と肩を並べるようになったU・シュジャート・カーンですが、実はこの「The Rain」、グラミー賞ノミネートということより、ここに至までの経緯と内容の方
が重要だったりします。(個人的にですが)

U・シュジャート・カーンは、今でこそ大御所なんですが、実際、人生かなり波瀾万丈で、別に浪花節エピソードを知ってもらいたい訳ではないのだけれど、10代で親の七光りと保護を蹴って、自分の音楽を追求する生き方を選んだお陰で、どうしても波瀾万丈な人生になってしまいます。

その昔、単身アメリカに渡り演奏の仕事を探していた時期は、スペイン料理屋でギター片手にインド民謡を歌ってたり、電話交換手をしていたり、安いギャラをさらにピンハネされるような公演をしてたり、、、(ほんとはもっとありますが省略)と、今のポジションからは想像できないような生活をしていた時期もあったようです。本人としては、ジブシー生活も楽しかったなどとインタビューで答えてますが、、、

そんな中、アメリカをツアー中のケイハン・コルホールとの一発ジャムセッション的な公演が、名門ECMからリリースされ、あっさりグラミー賞ノミネート、、、確かに優れた演奏家同士で即興にも強いということもあるけれど、本人は至ってシンプルで欧米のマーケットや流行ものを意識したアレンジなどする気もなく、いつもの自分の演奏と音楽性だけ、、、と、コアなファンとしては手に取るように分かります。

まぁ、スペイン料理屋でギター片手に歌ってたであろうインド民謡が、十数年を経て相変わらず下心なアレンジもせずグラミー賞ノミネート、、という構図は、 U・シュジャート・カーンの音楽性にもそのまま当てはまります。古典芸能にありがちな絢爛豪華な装飾もなく、下心満々なテクニックやアレンジもなく、ズバリいうと「素朴なメロディとシンプルなストーリー性が、いつの間にか何とも深い味わいに変わり、気付いた時には感動している」、、、まるで切られたことすら気付かせない剣の達人のような感じ。

来日公演の詳細
(まだチケット買ってない人は、はやく買った方がいいよ)
http://celestia.co.jp/schedule/2213.html

師匠の来日公演が間近なので、、、を読んで、本人のインタビュー映像(日本語字幕)見ると、人となりも分かっていいよ。
http://celestia.co.jp/feathers/3482.html



2012年9月28日金曜日

師匠の来日公演が間近なので、、、vo.3

『歌うシタール奏者 U・シュジャート・カーン』

元々は器楽奏者が歌うということはなかったのですが、先代のU・ヴィラヤット・カーンから、曲のテーマメロディの部分だけを歌詞のないハミングのような歌で歌うというスタイルが始まりました。

U・シュジャート・カーンも、そのスタイルを継承しつつ歌詞のあるテーマ・メロディを歌いますが、U・シュジャート・カーンの場合、それだけに止まらず、インド民謡のガザルやスーフィも歌います。古典シタール奏者としてのステージやアルバムのリリース以外にも、歌手といても沢山のアルバムをリリースしています。

本人にとっては、特に違和感がある訳でもなく楽々とこなしていますが、最初は非難轟々だったようです。現在でも、ここまでシタール奏者と歌手を両立してる演奏家はいないのですが、最近は、器楽奏者もテーマは歌うことも珍しくなくなり、新しい形式のようにもなっています。

インド音楽の場合、膨大な理論体系と数学的な構造のお陰で、どこまでも展開できますが、反面、理屈っぽかったりテクニカルすぎたりする傾向もあります。U・シュジャート・カーンの場合、「そんなの歌を聴けば分かるだろ。イチイチどの音が重要だとか関係ないよ。歌をよく聴け。」とか言ってしまうスタイルです。なので、なぜか「青葉城恋唄」まで歌えます、それもかなり上手い日本語で、、まぁ、ものすごく耳は良いです。(昔、日本に来た時覚えたようですが、今でもほぼ完璧に歌えます。日本語で)

まぁ、それでも十分に理論やテクニックはあるのですが、そういうのを直線的に並べて演奏することはなく、ざっくり音を削ぎ落として空間を活かしたり、民謡のような無垢なメロディを描いたり、と思えば、溢れるばかりのメロディを描いたり、ものスゴく早いテンポの中に呟くようなメロディを弾いたり、、他のインド音楽奏者にはない独自の音楽性やダイナミクスを持っています(優れた演奏家は、みんなそれぞれ独自もスタイルを持ていますが)。そして、音を詰め込み過ぎず、音楽全体が隅々までコントロールされ、どういう場面でも「歌」が聞こえる、、、という感じです。

来日公演の詳細
(まだチケット買ってない人は、もう買った方がいいよ)
http://celestia.co.jp/schedule/2213.html

師匠の来日公演が間近なので、、、を読んで、本人のインタビュー映像(日本語字幕)見ると、人となりも分かっていいよ。
http://celestia.co.jp/feathers/3482.html


映像は、イランの演奏家ケイハン・コルホール演奏。
<iframe width="420" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/2NF9bz4PXzo" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

2012年9月26日水曜日

師匠の来日公演が間近なので、、、vo.2

『U・シュジャート・カーンとU・ヴィラヤット・カーン』


インド古典音楽の場合、ラーガと呼ばれるメロディの膨大な体系があります。この名前は紀元前1000年くらいに書かれた文献にも出でくるようで、なんだかなんだで3000年くらい伝承されてます。

北インドの場合、中世にペルシャや中央アジアの影響も受けて、いろいろな形式が次第に作られていき、その中に「カヤール」という演奏形式が生まれます。この「カヤール」という演奏形式は、それ以前の厳格な様式とは打って変わって、かなり自由度の高い演奏をするのが特徴です。

なので、この「カヤール形式」の場合、即興的な要素も強く、演奏者はラーガの基本的な規則性は踏まえつつ、どう解釈して、どういうアイデアや音楽性を演奏に盛り込むかが勝負なところもあります

だから、インドにも有名な演奏家を上手くコピーしてる人は沢山いますが、コピーの人は、やっぱり仕事なないようです。まぁコピーは、あくまでソックリさんなだけなので。。。

U・ヴィラヤット・カーンは、1800年代に大活躍した父親のU・イナヤット・カーンを10才くらいの時に亡くし、親戚などに音楽を教わりながらも独自に修練を重ね、、(長いので略)。そういうこともあって、かなり独自なというより革新的ともいえる音楽性を生み出した20世紀シタールのパイオニアですが、、、

息子U・シュジャート・カーンも、なぜか10代で、独自のラーガ解釈と音楽性の追求のために、親の保護も七光りも捨てて家出、、、。ムンバイの映画音楽のスタジオミュージシャンをしたりと転々

で、この映像は、U・ヴィラヤット・カーンの晩年、長い家出から戻ったU・シュジャート・カーンが、父親とデュオをしていた時期のものです。U・ヴィラヤット・カーンの年齢による技術の衰えもありますが、息子U・シュジャート・カーンが、完全にU・ヴィラヤット・カーンを圧倒してます。ファンとしては涙モノの映像です。(日本でもDVD買えます)

1993年のロイヤル・フェスティバル・ホールでの演奏で、もうかれこれ20年前の公演です。実は、これより数年前の親子公演のビデオをコッソリ持っているけど、そのコンサートでは、まだ、U・ヴィラヤット・カーンの独壇場です。

しかし、息子U・シュジャート・カーンが、世の中に認められるのは、1993年よりずっと後です。いろいろ理由もあるけれど、やはり、息子U・シュジャート・カーンが父親とは違う独自の表現をしていたから、、、というのが一つ理由として上げられます。(つづく)

U・シュジャート・カーン公演詳細(はやく予約した方がいいよ)http://celestia.co.jp/schedule/2213.html